次に、②ボディコンタクトを考えてみます。
社交ダンス界では、お腹をお互いにしっかり付けてワンピースになって踊れ、と言う言葉を聞く場合が多いのですが、これは糊で貼りつけたようにして2人が1つになって踊るのだと勘違いしないでください。
1人1人別な身体が、同じように身体を動かして同じタイミングで踊る為のコンタクトなのです。
ハードなコンタクトになると、身体全体に力が入って、全身の躍動感が出せない窮屈なダンスになってしまいます。
ですから、お腹のコンタクトは、お互いの服が触れてはいるが身体は触っているかいないか位の状態が理想的です。
しかし、そのような状態はプロのトップクラス同士でないとなかなか難しい事なので、私は生徒さんには、あまりコンタクトの意識はさせないで、むしろ少しくらい離れてもいいから伸び伸びと身体を使うように言っています。
それでも、あまりルーズに身体が離れすぎては当然上手く踊れませんから、気を付けてください。
お腹のコンタクトはピッタリとつき過ぎてはいけないと言いましたが、他にも理由があります。
社交ダンスが踊れる皆さんは、男性と女性とが真正面に立っていないという事は解っていると思いますが、おおよその感じで身体半分くらいお互いに左へずれています。
しかし、踊っている間に、アウトサイドパートナー(右足を相手の向かって左外側へステップする)とか、ロックステップ(足を交差するステップ)とか、プロムナードポジション(2人でV字型で前進する)とかでは、おおよその感じで更に左へ、合計で3/4位左へずれます。
しかし、逆に相手に対して右側へずれる事は絶対にありません。
つまり、お腹のコンタクトは横方向には随時少し移動しているわけですから、ピッタリと付けてはいけないわけです。
よく、男性がお腹と右腕で女性を抱えている人がいますが、これではお腹のコンタクトをずらす事ができないので、初心者の方を除いては上手く踊る事が出来ないので注意してください。
以上のように、2人のお腹は横方向にずれますが、上下方向には絶対にずれてはいけません。
リードと勘違いして、お腹で女性を押す人もよくいますが、これも当然悪いコンタクトです。